川遊び・水レジャーの必需品、ライフジャケット。
特にお子さんには絶対身につけさせたい装備ですよね。
しかしいざ買おうと調べてみると、「ライフジャケット」「フローティングベスト」「桜マーク」「CSマーク」「CE認証」「RAC認定」「浮力」などなど、分からない単語のオンパレード。
そしてお値段もピンからキリまで…
結局どれがいいの?命に関わるものだし、とりあえず高いの買っとけば安心?
と思いがちですが、ちょっと待ってください!
ライフジャケット(フローティングベスト)は、シチュエーションに合った製品を選ぶのが大切なんです。
まず結論からお伝えすると、
- 小型船舶(ジェットスキー・水上バイク含む)→「桜マーク」つきライフジャケット(法律の義務あり)
- エアボート・手漕ぎボート・カヌー等→「桜マーク」つきライフジャケット推奨(法律の義務なし)
- 川遊び・海水浴・陸釣り→浮力が体重の10%以上ある「桜マーク」なしのライフジャケット(フローティングベスト)
です。
意味が分からなくても大丈夫!これからまとめて説明していきます!
この記事を読めば、アクティビティ・レジャーに合わせたライフジャケット(フローティングベスト)の選び方が分かりますよ。
ライフジャケットとフローティングベストの違い
ライフジャケットもフローティングベストも、基本は「浮力材の入った救命具」です。
本来の意味で厳密に分類するなら、
- ライフジャケット:浮力や安全性に特化した「救命胴衣」・主に船舶での着用を想定
- フローティングベスト:浮力に加え、収納力や機能性を備えた「岸釣りベスト」・主にレジャー用
となります。
フローティングベストは岸釣り用安全グッズだったのが、川・海遊び全般に使われるようになったんだね。
日常会話や通販サイトでは、ほぼ同じ意味で使われてることが多いよ。
ライフジャケットもレジャー用のものが多く販売されていますので、注目すべきは呼び方より「桜マークの有無」「形状」「サイズ」「浮力」です。
桜マークとは
「国土交通省の小型船舶における安全基準に適合している」と確認されたライフジャケットにつけられるマークです。
小型船舶に乗る際は、「桜マークつきライフジャケット」の着用が義務づけられています。守らないと船長さんが怒られます(減点2)。
エアボートや手漕ぎボート・カヌーなどは法律の縛りはありません。
小型船舶操縦士の免許が不要な船舶(ミニボート等)では、着用義務が課されませんが、安全のため桜マークがあるライフジャケットの着用を推奨します。
国土交通省公式HPより引用
桜マークは水域によって更にタイプ分けされてるよ。
川や湖はどのタイプでもOK。
桜マークつきライフジャケットは「陸地から離れた水面に投げ出されても救助まで生き残る」ことが目的。
よって、浮力や耐久性に特化して作られています。
あくまで「小型船舶用の救命胴衣」なんですね。
つまり、浅い川遊びや海水浴で「桜マーク」つきライフジャケットを着用するのは、動きづらかったり浮力が大きすぎたりで逆に危険な場合があるんです。
発行元である国土交通省も、桜マークつきライフジャケットを船舶以外で使うことには慎重な姿勢です。
オーバースペックならいいってワケじゃないんだね…
CSマーク・CE認証とは
CSマークは、日本小型船舶検査機構(JCI)による認証マークです。
「船舶を利用しない釣り人向けに、一定の品質を保証したライフジャケットの流通」を目的に策定されました。
よって、CSマークのジャケットは小型船舶では使用できません。
CSマークは「陸釣りや手漕ぎボートで釣りする人向け」ってことだね。
CE認証は、EUのライフジャケット安全基準をクリアした製品に与えられます。
似てるけどCSマークとCE認証は全く違うものだよ。
ライフジャケットの安全基準はEUより日本の方が厳しいため、CSマークもCE認証より厳しい性能試験をクリアしていると言えます。
RAC認定とは
NPO法人「川に学ぶ体験活動協議会(RAC)」による、「川という自然環境下での体験活動に適したライフジャケット」を安全基準にした認定です。
あまり知名度は高くないけど、国土交通省のサイトでも紹介されています。川遊び用ライフジャケットを探す際の目安にするのもいいと思います。
ライフジャケットの形状
ライフジャケットには膨張式と固形式の2タイプがあります。
フローティングベストは固形式(ベスト型の着るタイプ)に分類されます。
【膨張式ライフジャケット】
膨張式ライフジャケットの特徴は
- 小さくて軽い
- 紐を引っ張るか、センサーに水に触れると膨らむ
- 水洗いできない
- 主にボートや陸釣り用
- 石や突起物で穴が空きやすい
です。
水に触れると膨らむってことは、水遊びには使えないね。
とっさに紐を引っ張るのも、小さい子には難しそう…
【固形式ライフジャケット】
固形式ライフジャケットの特徴は
- 着用したまま水に入れる
- ごつくてかさばる、蒸れやすい
- 服のように着るだけなので子供でも簡単
- 水洗いできる
- 破れにくく衝撃に強い
です。
「ライフジャケット」と聞いてパッと思い浮かぶのはこっちかな。
水遊びには固形式(ベストタイプ)がオススメ
おさらいすると、
膨張式:紐を引く、水に濡れると膨らむ・ボートや釣り用
固形式:着るタイプ・破れにくい・釣り含め水遊び全般で使える
よって、川遊びや海水浴など、濡れることが前提のレジャーでは固形式のライフジャケット(フローティングベスト)が適しています。
用途に合ったライフジャケット(フローティングベスト)を選ぼう
認定マークなしのライフジャケットは危ない?
A:信頼できるメーカーの製品で、スペックをしっかり確認すれば大丈夫
繰り返しになりますが、「桜マーク」は小型船舶用の救命胴衣です。
一般的な川遊びやレジャーとはそもそも用途が違うため、「桜マーク」のライフジャケットを川遊びで使うと逆に危険な場合もあります。
「CSマーク」もエンジン船を使わない釣り人用の基準なので、川遊び前提ではありません。
「RAC認定」は川遊びに特化した基準のため、川遊び用ライフジャケットを選ぶ際の目安にできます。
ただ、もちろん各メーカーも独自に基準を設け、厳しい性能検査を行っています。
中には認定相応のスペックはあるけれど、値段を安くするためや、独自のオプションをつけるためにあえて認定を受けない場合も。
特に桜マークは色も指定されてたり、かなり厳しいです。
ライフジャケットを購入する際は、
- レジャーごとに適切なライフジャケットを、
- メーカーとスペックをよく確認し、
- 着る人に合ったサイズと浮力のものを選ぶ
のが重要です。
「浮力」の目安
ライフジャケット着用時、水中で首から上が浮かぶのに必要な浮力は、着用者の体重の10%と言われています。
20㎏の子どもなら水着含めて2.5kgって感じかな。
一方、国土交通省が設定した「桜マーク」ライフジャケットの浮力基準は
- 大人用(40kg以上)→浮力7.5㎏以上
- 小児用(15~40kg)→浮力5㎏以上
- 幼児用(15㎏未満)→浮力4㎏以上
と、特に幼児用はかなり大きめ。
レンタルや船の備品で、不特定多数の人が使うことを想定してるからかと。大人なら75kg以上の人も余裕でいるもんね。
たとえば12kgの子どもが川遊びで「桜マークの幼児用ライフジャケット」を着用した場合、サイズも浮力も大きすぎて動きづらい・水面でひっくり返る危険性も。
小学校高学年以上なら、川遊びで「桜マーク」ジャケットでもいいかなと思います。
小さい子がオーバースペックのジャケットを着用する危険性は、↓のサイトさんがイラストつきで解説されています。
せっかく私物のライフジャケットを買うのなら、お子さんの体重・体格に合った浮力・サイズのものを選ぶのがオススメです(もちろん信頼できるメーカーのもので)。
【2024年最新】子どもの川遊びにオススメのライフジャケット(フローティングベスト)
以上を踏まえて、ここからはシチュエーション別のおすすめ子ども用ライフジャケット(フローティングベスト)をご紹介します。
小型船舶(水上バイク・ジェットスキー含む)
小型船舶に乗る場合は「桜マークつきライフジャケット」一択です。
色々なデザイン、値段のものがありますので、お子さんの体格・好みに合わせて選んでください。
身長80cm、体重10㎏以上から着用可能。S・M・Lと3サイズ展開されています。
身長100cm、体重15㎏から着用可能。信頼のヤマハ製です。
12歳から着用可能。タイプDなのでデザインの自由度が高いです。
12歳以上、体重40㎏以上で着用可能。安いですが股紐がないので、年齢・体重を必ず守ってくださいね。
小さい子で股紐がないと、水中ですっぽ抜ける危険性があります。
川遊び・海水浴・陸釣り
川遊び・海水浴・陸釣りは「桜マークなし」でOK。
浮力は体重の10%以上が目安です。
CSマーク・CE認証・RAC認定はお好みで。
釣りだけで水遊びしないなら膨張式でもいいですが、ここでは水遊び前提で紹介します。
動きやすさ・通気性がポイントだね。子どもが喜ぶデザインならなお良し!
身長・体重に合わせた4サイズ展開。我が家も長男が3歳のとき購入しました。プールで浮力も確認済です。
身長90cmから着用可能で、S・M・Lの3サイズ展開。安全第一ならオレンジがおすすめです。
CSマーク取得済で体重15㎏~着用可能。前面だけなので通気性◎。デザインも可愛いです。
CE認証済。身長90cm、体重11㎏から3サイズ展開。Amazonで7000レビュー越えの人気ライフジャケットです(デザイン7種)。
川遊び(RAC認定ジャケット)
【川遊び・海水浴・陸釣り】で紹介したジャケットはもちろん、川遊びに特化した「RAC認定ライフジャケット」
身長90~100cm、体重15kg以下の幼児用です。
身長110~150cm・体重15~40㎏の小児用です。
エアボート・手漕ぎボート・カヌー
免許のいらない(エンジンのない)エアボート類は、「桜マークつきライフジャケット」が推奨されています。
ただし義務ではないため、お子さんの年齢・体格・使用する状況によって各人で判断してくださいね。
悩んだときは実店舗でいくつか試着してみるのもオススメです。専門店なら店員さんにも相談できますよ。
【子供のライフジャケットとフローティングベスト】違いとおすすめは?レジャー別に紹介まとめ
「ライフジャケット」と「フローティングベスト」の違い、「桜マーク」「CSマーク」「CE認証」「RAC認定」について解説しました。
まとめると、
- ライフジャケットもフローティングベストも「救命具」の仲間
- 水遊び全般には固形式がおすすめ
- 「桜マーク」は小型船舶用、「CSマーク」は船に乗らない釣り人用
- 川遊びは「RAC認定」もしくは、体重の10%以上の浮力があるライフジャケットを
- 信頼できるメーカーで、着用者の身長・体重・年齢に合ったものを選ぼう
です。
命を守るためにもライフジャケット(フローティングベスト)の基準を正しく理解し、レジャーのシチュエーションに適したものを選んでくださいね。
でもライフジャケット着けなきゃって思っただけで十分えらいと思います。何よりも意識が大事!
おたがい安全に気を付けて、今年も川キャンライフ楽しみましょ~
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